「滅びの前のシャングリラ」凪良ゆう/あらすじ/感想

あらすじ:

 この物語は、地球が小惑星に衝突し、人類が滅亡の危機に瀕する中で描かれています。主人公の江那友樹は、いじめられっ子の高校生です。彼の初恋の相手である藤森美咲が東京へ行くことを決めたことで、友樹は絶望的な気持ちに陥ります。

 一方で、友樹は学校で神様のように崇められている同級生の藤森美咲に惹かれています。しかし、美咲は友樹を避けるようになり、彼女の心は遠退いていきます。

 そんな中、地球滅亡まであと1ヶ月を切ります。人々は絶望に飲まれ、荒廃した社会が描かれます。友樹は自分の人生に絶望しつつも、美咲を守りたいという思いを抱き続けます。

 最終的に友樹は美咲を説得し、一緒に最後の時を過ごすことになります。二人は互いの思いを告白し合い、最期の時を迎えます。

  • 主人公の友樹は、いじめられっ子の高校生。
  • 初恋の相手・藤森美咲が東京に行くことを知り、絶望的な気持ちに。
  • 美咲は学校で神様のように崇められており、友樹は彼女に惹かれている。
  • 美咲は友樹を避けるようになり、二人の関係は疎遠になっていく。
  • 地球滅亡まであと1ヶ月を切る中、人々は絶望に飲まれ、荒廃した社会が描かれる。
  • 友樹は自分の人生に絶望しつつも、美咲を守りたいという思いを抱き続ける。
  • 友樹は美咲を説得し、一緒に最後の時を過ごすことになる。
  • 二人は互いの思いを告白し合う。
  • 最期の時を迎える。

 各編では異なる主人公が登場し、それぞれの視点から物語が展開されます。学校でいじめを受ける友樹以外にも、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香など、彼らは「普通の社会」での生き辛さを抱えています。小惑星衝突のニュースが流れた後、彼らは自分達の居場所を見つけ、ささやかな幸せを手に入れようとします。

 このように、「滅びの前のシャングリラ」は、地球滅亡を前に人間の本質が露わになる中で、主人公の友樹が自分の人生と向き合う物語となっています。自分を慕う同級生に惹かれつつも、彼女から距離を置かれるという複雑な心情が描かれています。

 また地球滅亡という非日常的な状況を前に人々が示す様々な反応や行動も描かれており、人間の本質を浮き彫りにしているのが特徴的だと言えるでしょう。例えば、絶望に飲まれて荒廃した社会の描写や、最期の時を共にしようとする主人公の姿勢など、人間の尊厳や絆の大切さが表現されています。

 このように、「滅びの前のシャングリラ」は、SF的な設定を通して、人間の内面や人間関係の本質に迫る作品となっています。

感想:

 この物語は、終末という極限状況下での人間の心理や行動、社会の変化を鋭く描いており、「もし自分がこの状況に置かれたらどうするだろうか」という強烈な問いかけを投げかけます。また物語の終わりには圧巻のラストが待っており、深い印象を残しました。

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