「スメル男」原田 宗典/あらすじ/感想

 武留は嗅覚障害のために自分の臭いを感じられませんが、彼の恋人は彼の悪臭を気にせず恋に落ちます。

 その後、悪臭にまみれた武留は騒動に巻き込まれていきます。武留の悪臭を生物兵器として利用しようと企む秘密組織が登場します。その秘密組織は武留を拉致して、福島原子力発電所(この本の発行は1989年ですので、東日本大震災による原発事故が起こるかなり前です)の地下研究所に監禁します。そこで、IQ350を超える天才ハッカー少年のナルヒトマキジャクが登場します。彼らの助けを借りて、六川の恋人であるマリノレイコとともに脱出を試みるというサスペンス的な展開になっています。

感想:

 この作品は、主人公の冒険と成長を描きつつ、人間の五感、特に嗅覚と触覚の描写が非常に現実的で、感情や人間関係なども巧みに描いていると思います。またコメディ色が強く、後半では一気にシリアス・サスペンス・SF路線へと変わり、だいぶ引き込まれました。この作品はエンターテインメントとして楽しむことができるでしょう。精神的ショックから引き起こされる精神的な葛藤と身体的な変化を通して、人間の内面を描いた作品だと言えるでしょう。

 登場人物の関係性は複雑で、愛情、喪失、絆など、人間の様々な感情が描かれています。この作品では、それぞれの人物の内面的な変化や成長が重要なテーマとなっていると言えるでしょう。

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