「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光/あらすじ/感想

あらすじ:

 ベストセラー作家の宮内彰吾(みやうちしょうご)が癌により61歳で死去しました。彼は妻帯者でありながら多くの女性と交際し、そのうちの一人との間に子どもを作っていました。その子どもが主人公の藤阪燈真(ふじさかとうま)です。宮内の死後、燈真は宮内の嫡出の息子である松方朋晃(まつかたともあき)から連絡を受け、宮内が最後に書いていたらしい「世界でいちばん透きとおった物語」という小説の原稿を探すことになります。

主要な章の内容:

  1. 不思議な生活
    • 燈真は母親と二人暮らしで、母親は宮内彰吾との不倫の末に燈真を産みました。母親は校閲の仕事をしており、外部との交流はほとんどありませんでしたが、S社の編集者・深町霧子(ふかまちきりこ)とは良い関係を築いていました。
  2. 唯一の交流
    • 燈真と母親は読書を通じて交流を深めていました。母親の死後、燈真は母親の遺作を探すために動き出します。
  3. 遺作
    • 宮内の死後、燈真は宮内の息子・松方から「世界でいちばん透きとおった物語」の原稿を探す依頼を受けます。燈真は霧子の助けを借りて、宮内の愛人達や業界関係者を訪ね歩きます。
  4. 真実の発見
    • 燈真は宮内が最晩年を過ごした狛江の一軒家で原稿を書いていたことを突き止めますが、到着直前に何者かが家に侵入し、原稿を焼却してしまいます。
  5. 結末
    • 霧子は燈真が集めた情報を元に、「世界でいちばん透きとおった物語」がどんな小説だったのかを推理します。最終的に燈真は「世界でいちばん透きとおった物語」というタイトルの小説を書き上げ、職業作家としてデビューすることを示唆するところで物語は終わります。

感想:

 この小説は紙の書籍でしか体験できない仕掛けがあり、電子書籍化が難しいとされ、「電子書籍化絶対不可能」「ネタバレ厳禁」として注目を集めています。読者に衝撃的な読書体験を提供する作品であり、既に25万部を超えるヒット作となっています。

 特に、物語の終盤にかけての展開や仕掛けが驚かされます。物語のラストに驚愕しました。展開が面白く、ミステリーや謎解きが好きな人には満足できると思います。

 人間関係や感情の描写も秀逸で、登場人物達の葛藤や成長が丁寧に描かれています。特に主人公の燈真が父親の遺稿を探す過程で、自分自身と向き合い、成長していく姿が感動的です。

 紙の書籍でしか体験できない仕掛けと、衝撃的なラストが特徴の作品です。読んだ後には清々しい気持ちになること間違いありません。

 詳細な内容については、是非、実際の書籍を手に取って、その魅力を体験してみてください。

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