「トラペジウム」高山一実/あらすじ

 雑誌「ダ・ヴィンチ」の2016年5月号から2018年9月号まで連載されました。2018年11月にはKADOKAWAから単行本が発売され、その後、文庫本化もされています。書名の「トラペジウム」は、オリオン大星雲の若い星の星団を指す言葉で、物語の中でアイドルが放つ光に由来しています。

 高山一実さんは乃木坂46の一期生として知られるアイドルで、彼女自身のアイドルとしての経験や疑問、葛藤を表現したいという思いからこの小説を執筆しました。2024年5月10日には、この小説を原作とする劇場アニメが公開されています。

起:アイドルになるための計画始動

 主人公の東ゆうは、アイドルを目指す高校1年生です。彼女は自分が住む半島地域・城州の「東西南北」のかわいい女の子を集め、アイドルグループを結成するという目標を持っています。ゆう自身は「東」に住んでいたため、集める必要があるのは西・南・北の3名です。彼女は着々と計画を進めていきますが、唯一ひょんなことから知り合った工藤真司(シンジ)にだけはすべてを話し、彼も協力者としてサポートしてくれています。

承:仲間たちとの絆を深める

 ゆうは3人の女の子と休日に集まったり一緒にボランティア活動に参加したりして、日々交流を深めていきます。彼女の頭の中にはいつも「どうにかしてアイドルになるチャンスをつかみたい」という想いがあり、周囲とのテンションが合わないこともしばしばです。地元の城がテレビで取り上げられると知ったゆうは、観光ガイドのアルバイトをきっかけに顔を売りたいと考えます。その後、取材に参加し3人でテレビに映りましたが、反響はあったものの、所詮”田舎の中で有名になっただけ”でした。

転:ついにチャンス到来!

 現実を目の当たりにしてがっかりするゆうのもとに、予想もしていなかったチャンスが舞い込んできます。番組のADから、深夜バラエティの1コーナーに4人で出てほしいとお願いされたのです。当初はお試し的なコーナーだったはずが、4人のキャラや可愛さが評判を呼び、あっという間に事務所に所属してアイドルグループを結成する流れに! ゆうは自分の夢が叶って大喜びで、他の3人も戸惑いつつ仕事をこなすようになります。しかし、アイドルという仕事の大変さがわかるにつれ、次第にゆうと3人の間には温度差が生じていくのでした。

結:主人公の夢の終着点は……

 結局、ゆう以外の3人は事務所を抜けてしまい、4人でないと意味がないためゆうの仕事もなくなってしまいます。しかし、ゆうは自分の独りよがりな行動に気づいたこともあり抜け殻になっていたのですが、美嘉の言葉をきっかけに奮起し、皆に改めて謝罪します。アイドルグループとしては解散しましたが、今後も友達としての絆は続けていこうと約束します。

 やがて月日は流れ、夢を追い続けたゆうは国民的アイドルグループのリーダーになっていました。他の3人もそれぞれの道を歩んでいますが、今でも定期的に会うほど仲良しのままです。夢を叶えたゆうはこれからもきらきらと輝き続けていくのでしょう。

「トラペジウム」はアイドルを夢見る少女の奮闘を描いた青春小説として綴られており、多くの読者に支持されています。ゆうの成長や友情、夢の追求が心温まる物語となっています。多くの読者に支持されています。

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