「キッチン」よしもとばなな/あらすじ/レビュー

あらすじ:

 幼い頃に両親を亡くしたみかげは、祖母と長年二人暮らしをしていました。しかし、祖母も他界し、みかげは天涯孤独となり、絶望に陥りました。

 そこで寂しさを紛らわすために、みかげは冷蔵庫の脇で寝る癖がつき、台所が彼女にとって心安らぐ場所となりました。

 その後、祖母と仲の良かった田辺家の人々との出会いによって、前を向いて生きていくことができるようになります。祖母の知り合いだった青年である田辺雄一が同居の話を持ちかけます。雄一はマンションで性転換した元父親のえり子と暮らしていました。みかげは雄一の家で新たな生活を始め、少しずつ心に光や風が入ってくるのでした。

主人公のみかげ:
 両親と祖母を早くに亡くし、絶望に陥っていました。
 祖母と仲の良かった田辺家に同居することになります。

田辺家の人々との出会い:
 田辺家の人々である雄一とその母親えり子の優しさに触れることで、みかげは前を向いて生きていくことができるようになります。
 田辺家の人々は、みかげにとって家族同然の存在となります。

絶望的な出来事:
 田辺家の人々の中で、みかげにとって特に大切な存在だったえり子が亡くなります。
 この絶望的な出来事を経験することで、みかげは人生の本質的な価値を理解するようになります。

 さらに、この小説では「絶望からの再起」というテーマが重要です。主人公のみかげが、家族を失い絶望に陥りながらも、田辺家の人々との出会いによって前を向いて生きていくことができるようになるという物語です。 この「絶望からの再起」というテーマは、多くの読者に共感を呼び、吉本ばななさんの代表作の一つとなっています。

レビュー:

「キッチン」は吉本ばななワールドの始まりであり、人の強さや弱さを描いた作品です。独特の空気感で物語が進み、台所が特別な場所として描かれています。みかげの心の再生や、雄一やえり子との交流が、読者に感銘を与えることでしょう。

 この作品は、吉本ばななさんの独自の感性と人々の日常の中に潜む感情や葛藤を描いています。台所という身近な場所を通じて、死と再生、孤独と交流をテーマにしています。吉本ばななさんの作品の中でも特に印象的であり、読者に深い感銘を与えることでしょう。

 人生の喜びと悲しみ、そして再起の物語として、多くの読者に愛されている作品です。是非この作品をお読みいただき、その魅力を感じていただければと思います。

 なお、この作品は1989年と19997年に映画化されています。
1989年版の出演(下にDVDを紹介しています):
 桜井みかげ:川原亜矢子
 田辺雄一:松田ケイジ
 田辺絵理子:橋爪功
 おばあちゃん:吉住小昇
 木原茂:後藤直樹
 ちかちゃん:中島陽典 他
原作:吉本ばなな
監督・脚本:森田芳光

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