「TUGUMI」(電子書籍版もあります)は、よしもとばななさんによる日本の中編小説で、1989年に発表された作品です。西伊豆を舞台に、病弱な少女つぐみとその従姉妹まりあの夏の物語を描いています。この小説は1989年に山本周五郎賞を受賞し、1990年には映画化もされました。
あらすじ:
大学生のまりあが夏休みに故郷の海辺の町に帰るところから始まります。そこでまりあは、従姉妹のつぐみや陽子と再会し、恭一という青年と出会います。つぐみは病弱ながらも意地悪で口が悪く、わがままな性格をしていますが、まりあはそんなつぐみのことをどこか憎めないと感じています。4人で過ごす夏の日々は、つぐみの突然の容態の悪化という出来事によって影を落とされます。
レビュー:
読者からは「不思議な構成で故郷を持つ人に読んで欲しい」という感想や、「清涼感と幻想感が両立した世界観と目に浮かぶ情景描写」と評価されています。つぐみのキャラクターが持つ独特の魅力や、青春の切なさを描いた物語として高い評価を受けています。
映画「つぐみ」(1990年公開 主演:牧瀬里穂(山本つぐみ役) その他の出演:真田広之(高橋恭一役:小説では単に「恭一」で苗字は不明だったと思います) 、中嶋朋子(語りと白河まりあ役)など)については市川準さんが脚本・監督を務めました。生まれつき体が弱いわがままな少女つぐみと彼女を囲む人々とのひと夏の出来事を描いています。映画も原作と同様に、多くの観客に感動を与えた作品となっています。
かなり感化された作品でしたので、ロケ地巡り兼小説執筆のネタを探そうと、映画の舞台となった旅館「梶虎(かじとら)」(西伊豆の松崎町:小説の舞台は同じ西伊豆の土肥町らしいです)に1999年、2000年と二度行ったことがあります。1回目は幸運にもつぐみの部屋に泊まれました。牧瀬里穂さんと真田広之さんのサイン色紙が貼ってありました。その日はあいにくの大雨で、雨の中で病に臥せっているつぐみの気持ちに寄り添えた気持ちがしました。さすがに、つぐみが使っていたベッドはありませんでした(笑)。旅館の通路には出演者達のサイン、監督のコメント、撮影時の新聞記事などが掲示されていました。廊下の行き止まりには、つぐみの「あたしのことカンタンにわかると思うなよな……」という台詞(映画には使われていません)が書かれた大きな映画のポスターが貼られていました。恭一がつぐみに会いに旅館を訪れた際につぐみが隠れていた場所も、「ああ。ここか~」と発見した時は嬉しかったです。
旅館は料理が美味しく、つぐみが「キリンのワルツ(残念ながらサウンドトラックには未収録です)」を歌いながら風呂掃除をしていた温泉に浸かることができました。一泊で1万2千円程度だっと思います。市川準監督の説得も叶わず、2006年頃に取り壊しになったようで残念です……。
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