あらすじ:
「つぎはぐ、さんかく」(菰野江名(こものえな)作)は、惣菜と珈琲のお店「△」を営むヒロとその兄弟である晴太、中学三年生の蒼が主人公の物語です。彼らは血のつながりはないものの、家族として支え合いながら暮らしています。
主人公のヒロはお店の調理係で、美味しい惣菜を作ります。兄の晴太は雑務担当兼コーヒー係で、一人目のお客さんから注文を受けてコーヒー豆を挽きます。そして中学三年生の蒼は元気に学校へ出かけます。
しかし、ある日、蒼は中学卒業とともに家を出たいと言い始めます。これまでの穏やかな日々を続けていきたいヒロは激しく反発してしまいますが、3人はそれぞれに複雑な事情を抱えていました。その後、3人の関係性に変化が生じ始めます。
この物語は、傷つきながらも身を寄せ合って生きてきた3人が、懸命に明日を紡いでいくための物語です。それぞれの複雑な事情や過去のエピソードが断片的に顔を出し、3人がお互いを支え合う日々は、蒼の台詞で打ち破られます。
家族の絆と自己成長の物語であり、ヒロの成長を描いています。またこの物語は、若すぎる3人が身を寄せ合うようにして営む惣菜店が舞台で、身勝手な大人達に振り回され、狭い世界の中であがいていた彼らが、外に目を向けしっかりとした一歩を踏み出せるようになるまでを描いています。家族とは何か、自分とは何か、というテーマを探求しています。
物語の終わりには、家族の新しい形を模索する3人の前向きな姿勢が描かれいます。
レビュー:
この作品は読者に「家族」とは何かを考えさせるものであり、傷つきながらも身を寄せ合って生きてきた3人が懸命に明日を紡いでいく姿が描かれています。感想では、登場人物たちの心情が丁寧に描写されており、読み進めるうちに彼らの家族への執着や愛情が伝わってくると評価されています。
この作品は第11回ポプラ社小説新人賞を受賞したということで、多くの読者に感動を与えているようです。家族の絆や成長を描いたハートウォーミングな物語として、読む人の心に残る作品となっているようです。
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つぎはぐ、さんかく
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つぎはぐ、さんかく
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